ストレス
わたしが病院や化粧品売り場で、
大人のニキビの原因として一番よくきいたのが「ストレス」でした。
たしかにわたしは生まれつき負けず嫌いの性格な上、
就職してからはずっと納期におわれる関係の仕事のせいで
毎日ストレスとは切り離せない生活をおくっています。
でもそれを「大人のニキビの原因」といわれても、
[ストレス] → [?] → [大人のニキビ]
[?]
の部分を説明してくれないので、なんだかピンときませんでした。
たしかに [?]
の部分に当てはまるものは1つではないので、
ずばっと断言してしまうのはむずかしいのですが、大きい流れを
[?] にあてはめてみました。
「視床下部」が大人のニキビに関係するホルモンを分泌するプロセス
「ストレス」は、体にとって、日常的におきる「有事」のひとつです。
いろんな種類のストレスがありますが、一般的にストレスをうけると、わたしたちは「つらい!」とかんじます。
そんなつらさをやわらげて、ストレスに打ち勝つチカラをあたえるために、
視床下部は、副腎髄質ホルモンのアドレナリンや副腎皮質ステロイドホルモンなどの「ストレス適応ホルモン」を分泌するように指令を出します。
「ストレス適応ホルモン」のうち、「アドレナリン」は、いわば「テンションを上げる」ホルモンです。(toofar理論ですが)
ジェットコースターにのると「テンションが上がる」のも「アドレナリン」の作用です。
視床下部は、ジェットコースターのスリルを「ストレス」とうけとって、
そのストレスと戦うためにアドレナリンを分泌させ、興奮状態にします。
それで「テンション」が上がって、恐怖もたのしめるのです!
ジェットコースターの後、乗り物をおりてからもしばらく、アドレナリンの興奮作用がつづきますが、時間がたつと、いつのまにか普段の状態にもどります。
これは、危機的状況を脱したと視床下部が判断すると、
必要のなくなった「ストレス適応ホルモン」を
これ以上作用させないようにするシステムを始動させるおかげです。
このように
視床下部は、「有事」がおこってもたえられるように
ホルモンを分泌して体をまもってくれているのです。
とはいっても、ジェットコースターでテンションがあがらない人もいます。
その人の視床下部は、正常にはたらいていないのでしょうか?
「ストレス」と大人のニキビとの関係
ジェットコースターでテンションがあがらないからといって、「視床下部がおかしい」わけではありません。
ジェットコースターでテンションがあがらない人にとっては、ジェットコースターにのることでうける「ストレス」が「強すぎる」のです。
強いストレスをうけとめると、感覚を認知する大脳皮質は大きなダメージをうけてしまいます。
その度合いが大きいと、視床下部もその余波をくらって、いつものようにストレスを上手に処理できなくなってしまいます。
こうして視床下部がストレス対応ホルモンの分泌に失敗すると、ジェットコースターのスリルにたえられず、「ただこわい」と感じてしまうのです!
もうひとつ、ストレスが長く続いたときも、視床下部がストレスをうまく処理できないことがあります。
大脳皮質から報告をうけて、ストレスを認識した視床下部は、いつものように「ストレス適応ホルモン」を分泌して対応しようとします。
このとき、視床下部は、危機的状況がなくなったらすぐに分泌指令を解除するつもりでいるのですが、なかなか状況がよくならずに、いつまでもストレス状態が解消しないと、「ストレス適応ホルモン」をずっと分泌しつづけることになって、視床下部や脳下垂体、ホルモン分泌器官など、ホルモン分泌に関係する器官の制御はどんどん麻痺してしまうのです。
ちなみに、「ストレス適応ホルモン」を分泌する器官は、女性の体が男性ホルモンを生成する器官でもある「副腎」です。(男性の場合は、精巣から分泌されます)
たとえば、副腎の制御がきかなくなると、「ストレス適応ホルモン」は、出しっぱなし、
ついでに必要のない男性ホルモンまで分泌してしまったりして、体内のホルモンバランスはみるみるくずれてしまいます。
視床下部はいわゆる「司令塔」で、会社でいうと社長みたいなものです。
社長は現場ではたらいているわけではないので、直接、現場の社員に仕事を指示することはありません。
ふらりと見回りにきては、気づいたことを近くにいる部長クラスの「脳下垂体」に
「男性ホルモンを分泌したほうがいいんじゃないの?」
と指示をだします。
「視床下部」から指示をうけた「脳下垂体」は、
副腎など男性ホルモンを分泌する器官に「男性ホルモンを分泌しといてよ」と指令をだします。
そして、その指令を副腎などの男性ホルモンを分泌する器官が無事にうけとることができたら、やっと男性ホルモンが分泌される、という流れです。
ちなみに、この
「視床下部」→「脳下垂体」→「男性ホルモン分泌器官」
の間の指令はすべて「ホルモン」をつかって伝達しています。
ホルモンでの情報伝達は、血管やリンパ管をとおっているので、遅延がおこることもあります。
しかも、プロセスは3段階。
社長、いえ、視床下部から指令をだしてホルモンを分泌するまで、なかなか大変なイメージはつたわりましたか?
「視床下部」の仕事
「視床下部」は「会社の社長」という表現しましたが、ホルモン分泌に関してはほんとうにそんな感じなのです。
現場のことはわからないけど、情報はあつまる社長(視床下部)は、このままでは会社(体)があぶないぞ、とおもうと、ちかくにいる側近(脳下垂体)にメール(伝達ホルモン)でちょちょっと
「あのホルモンをだしたほうがいいんじゃないの?担当者(ホルモン分泌器官)にいっといて」
「ホルモンだしすぎだよ!注意しといて」
なんてことをいってみたりするのです...。
あなたの会社の社長は「視床下部」そっくりではないですか?
とにかく、視床下部は会社の社長ですから(笑)、管理する仕事はたくさんあって
いろんなところにさまざまな指示を出す必要があります。
場合によっては、メール(ホルモン)じゃなくて、電話(神経)をつかって連絡します。
たとえば、「自律神経」。
心臓や胃腸をうごかしたり、血圧や体温を調節するといったような、無意識のうちに体の機能をコントロールするのが「自律神経」です。
そして、この自律神経を管理するのも「視床下部」なのです。
社内で社員が気持ちよくはたらける環境をつくり、
それによって会社全体の業績をアップしたり維持する社長のように、
視床下部もがんばっています。
つねに体のおかれた状況、体内の様子に気をくばり、
体の各器官がその機能を正常にはたらかせることができる環境をつくり、
健康を維持しているのです。(いつもありがとう!)
具体的に、視床下部が管理しているのはこの3つです。
このように視床下部は、「ホルモン」と「神経」どちらも操ってしまうところがそこいらの脳とは違うところです。
そして、同時に、
重要な機能を同じ場所で管理しているということで、大人の肌がニキビのできやすい状況におちいることもあるのです!
視床下部と「ホルモン調節機能」
視床下部は、血中のホルモン濃度をいつもチェックして把握しています。
その状況によって、大人のニキビに関係するとされる男性ホルモンやエストロゲン、黄体ホルモンを分泌したり、分泌を減らしたりする指令を脳下垂体に出して、ホルモンバランスを最適な状態に調整しているのです。
ところが、体にとって「有事」が発生すると、
視床下部は、いつもの「最適な状態」では体をまもれない!と判断して、
「有事のホルモンバランス」にもっていこうと動き出します。
日常的におきる「有事」のひとつとして「ストレス」があります。
通常、視床下部は、体がストレスにたえられるようにホルモンを調節します。
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