ホルモン治療
「ホルモンバランスがくずれた状態」を改善するためにはどうすればよいのでしょう?
たとえば、大人のニキビを改善するために、ホルモン剤をつかった「ホルモン治療」をとりいれている病院があります。
病院でのホルモン治療
病院でのホルモン治療は、まず、血液を採取して、血中の卵胞ホルモン(エストロゲン)や男性ホルモンの量を測定することからはじまります。
このとき、エストロゲンの量が少ないとか、男性ホルモンの量が多いといった異常が確認されたとき、
「大人のニキビの根本的な原因は"ホルモン"だ!」
と判断されます。
「ホルモン治療が有効なタイプのニキビ」だと診断されたときのみホルモン治療はおこなわれるのですが、この治療には、比較的リスクの低い中または低用量の「ピル」をもちいることが多いようです。
「ピル」は、もともとは人工的に妊娠した状態をつくりだすことによって排卵を抑制し、避妊するための薬です。
妊娠した状態を保つために「黄体ホルモン」を優位にする必要があるので、ピルには、もちろん黄体ホルモンがふくまれていますが、その効果をたかめるために、黄体ホルモンだけでなく、卵胞ホルモン(エストロゲン)も含んでいるものが一般的です。
ちなみに「中用量」とは卵胞ホルモン(エストロゲン)含有量が50μgのピル、
「低用量」とは50μg以下のもののことを言います。
女性ホルモンと男性ホルモンは、お互いに反対の作用を持っている部分が多くあるため、「ピル」は、必要な女性ホルモンを補給することで、体内のホルモン量を安定させ、男性ホルモンの分泌をおさえ、「ホルモンのバランスをととのえる」効果があるといわれています。
これによって、男性ホルモンによる過剰な皮脂の分泌はおさえられ、不必要に皮膚が角質化されることがなくなると、角質層は表皮のターンオーバーにともなって、2〜3ヶ月かけてゆっくり正常なあつさにもどっていきます。
そして、最終的には、
「皮脂」と「角質」という大人のニキビの「直接的な原因」が排除されることによって、大人のニキビが改善する
という流れです。
ただし、ピルもホルモン剤の一種なので、低用量といっても必ず身体になんらかの影響はあると考えてください。これをしっかり理解してからとりいれられることをオススメします。
- 長期間服用すると、乳がんや子宮がんなど、ホルモン由来の病気を促進させてしまうことがある
- 便秘や太りやすいなど、妊娠時の症状がでる
- 血栓症や心筋梗塞の副作用があることがある(そのリスクの高い喫煙者には、ピルが処方できません)
- 免疫力が低下する副作用があることがある
また「ホルモンバランス」は、大人のニキビの「根本的な原因」であるため直接的に作用しない分、こういうこともあります。
- ニキビが悪化する場合がある
- 2〜3割は効果がない人がいる
- 服用をやめると再発する場合がある
「ピル」とひとことでいっても、ふくまれる黄体ホルモンの種類によって作用の仕方が変わってきます。
中には、大人のニキビに対して、まったくの逆効果をおこしてしまうものもありますので、婦人科と皮膚科の知識と、ニキビのホルモン治療の経験の両方が豊富な医師に処方してもらうことが望ましいといえます。
|